「あんた、なんで沢田だけ喧嘩腰なん?」 「へ?」 「そうですよ、他の子には普通なのに」
篠原さん+αの仕事の都合がつかなくて、女3人だけとなった今日の飲み会。 乾杯をして、第一弾のおつまみが来たところでそんな話題を振られた。
喧嘩腰って…別にそんなことはない、けど。
「…おんなじですよ、他の奴らと」 「いーえっ!違いますね!」 「寄ると触ると言い合いしとるやないの」 「だってあいつが突っかかってくるんですよっ」 「…アタシにはあんたが「わざわざ」沢田を探して突っかかってるように見えるけどなぁ?」 「あら偶然、私もですよ」 「突っかかってなんかないですっ!」
気が付いたら目の前にいるというか、妙によく会うだけというか!と訂正を求めるあたしにお2人は冷めた視線を送ってくる。
だってホントのことなのに。
沢田を「わざわざ」探したことなんてないし(有事の際は別だけど)、ああ言えばこう言うで意地の悪い返しをしてくるのは沢田であって、あたしじゃないっての。
「ま、いいですけどねぇ」 「沢田もガッキやからな~」 「ガキって」 「学生やから当然甲斐性なしやろ?」 「女の扱いもできてなさそうだし?」 「その癖粋がっとるし」 「あれじゃこっちも願い下げ…」 「そっ、そんなことないですよっ!」 「「はあ?」」 「あいつは、そりゃ今甲斐性はなくたって将来有望だし、無愛想で無表情だけど仲間思いのいい奴ですしっ、気持ちの真ん中にあったかーーーいモンをちゃあんと持ってるいい男なんですっ!!」
なんだか余りと言えば余りな言い分に、思わず反論に力が入って拳を振り上げ熱く言い返したあたしに、にやぁ~と嫌な笑い方でお2人が「そっかそっか~」と両側から椅子ごと近づいてくる。
「あの…近いんですけど」 「沢田はええ男なんや?」 「え…えぇ…そうです!」 「沢田くん好きなんだ?」 「えぇ、そうで…ちょっとぉ!何言ってんですかっ!」 「「ちっ」」
「ちっ」てなんだ「ちっ」て!全くこの2人と来たら、色々相談に乗ってもらった時は的確なアドバイスをくれたりとても頼りになるんだけど、この何でも恋愛ごとに結び付けようとするのだけはやめていただきたい。
大体、生徒相手にそんな色っぽい話になるわけないじゃねぇか!
「まぁいいわ。とりあえずそこは置いといて、沢田と他の子との違いを自覚して下さい」 「だから違ってないですってば~」 「えぇから言うとおりにしぃ!」
逆らうことは許されない。
他の奴らと沢田と全く違わないってことを証明しないと、このへんてこな攻撃は止まないらしいけど…同じなもんをどうやって証明すりゃいいんだ。
2人が納得するまでしばらく困らされそうな話題に、「沢田の所為だ!」と結論付けてビールの追加を注文した。
Fin
お題サイト<Odds And Ends>様より拝借。 他と違う自覚なんかありません。 そして慎ちゃんに責任を押し付ける久美子さん。
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