「ぷっちんするプリンが食べたい!!」
そんな鶴の一声、ならぬ久美子の一声で2人仲良く上着を羽織るなんて以前の自分では全く考えられなかったことだ。 調子っぱずれの鼻歌を廊下に響かせながら、慎の1歩後ろを楽しそうに付いてくる久美子はスキップでもしそうな程機嫌が良い。
「機嫌良過ぎて階段落ちるなよヤンクミ」 「…失礼な沢田めっ」 「至極まっとうな忠告だろ」
振り向かず共、多分今久美子は両頬をぷっくり膨らませて不貞腐れてるのが分かる。 階段を下りようとした所でつん、とジャケットの裾を引っ張られ後ろを振り向いた途端、視界半分が傾いた久美子の顔で覆われて、ついでに唇も潤うピンク色のそれで覆われた。
不貞腐れてた筈の顔は、今は唇よりも薄いピンク色の頬をして照れくさそうににっこりと笑っている。
「なんか新鮮だなあ!」 「うん?」
えへへ、とご機嫌な久美子が今度はおでこ同士をこつんとくっつけて
「沢田と同じ目線」 「ふうん」 「もうっ。感動がうっすいぞ沢田!」 「元々だ。諦めろ」
嬉しそうと言うか、楽しそうに目を合わせてくる。
10数センチってそんなに違うもんか?
としか思えない慎は適当な相槌を打ってブーイングを買ったが、高々30cm定規の半分程度。 大して変わるようにはやっぱり思えなくて訂正もせずにいれば、既に立ち直ったらしい久美子が慎の首に腕を乗せてまた顔を覗き込んできた。
「なあなあ、あたしがこんくらいおっきかったらどう?いやか?」 「…別に」 「だから感動がうっすいっての!」
その体勢のまま足をじたばたさせる久美子の腰に手を回し階段から抱き上げて、一歩、久美子が居た位置に昇ると抱き上げ久美子を見上げた上下逆転のままキスをする。
さっきされた、不意打ちのキスよりも柔らかい感触を楽しむ、少しだけ深いキス。
「デカかろうと小さかろうとお前だし」
お前とキスできんなら、どっちでもいいよ。 唇をつけたままの距離で囁いてぺろりと舐めれば、俯き加減に変わる長い睫と赤い頬。
「…キザ野郎だ」 「バーカ」
ストン、と降ろしてお互い寄り掛かるように軽く抱きしめ、左右に揺れながら…どちらからともなくもう一度、またさっきよりも少しだけ深いキスをして。
「なあ…プリンは…?」 「…後で買ってきてやるよ」
部屋に戻った久美子がプリンよりも甘い時間を慎に食べさせられて、「プリンは明日でいいや」と伝えたのは数時間後の話。
Fin
先日のツキキワ様の公示茶にて「背の差」の話題が出た時に萌えてしまったネタで。 ・階段で1段違いで振り返ってキス ・ゆるく抱きしめてゆらゆら揺れる
ドラマVer.でしたー。 原作Ver.の反動のように「もうどーにでもなってくれ」という位甘ったるい(笑)。
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