そろそろ好きって言わせてよ
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 別にこうなる事を望んでたわけじゃなかった。

 お母さんのように大江戸を捨てることなんて出来やしないから、普通に恋をするなんて夢のまた夢で…いつか「良いお相手」とお見合いをして結婚をして大江戸を守ることになるんだろうと、漠然と思ってた。

 でもそれは「いつか」の話で。

 あいつとも「ちゃんと立派に先生やってるぞ!」って約束したから…あいつは「お前は一生俺達の先公だ」って言ってくれたから、もっともっと教師でいたいと思ってた。



そろそろ好きって言わせてよ
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「ヤーンクミッ♪」
「おーおはよう武田ぁ!」

 珍しくちょっと余裕な時間に起きて、たまにはいいか~といつも乗る1本前のバスに乗車して、学校への道をのーんびりテクテク歩いていたら今受け持ってる黒銀3Dのマスコット的存在である武田が後ろからひょっこりと現れた。

 いつもながら可愛い顔してやがんなーとニコニコ笑顔を振りまく武田の頭をよしよし、と撫でる。

「ねえねえ、今日さー帰りに皆で熊井さんとこ行くんだけどヤンクミも来る?」
「クマんとこ?」
「なんか隼人が昨日から「どーしてもラーメン食べたい!!」ってうるさいんだもん」

 撫でられるのを特に嫌がりもせずに受け入れて、そのまま隣を歩きながら放課後のお誘いを掛けてきた。
 いつもつるんでる生徒5人を2度程クマん所のラーメンに連れて行ったのだけども、矢吹がすっかりクマのラーメン好きになっているらしく、あたし抜きでも何度も通っているという話を聞いて嬉しくなった。

 クマのラーメンはおいしいからな!

 しかも元教え子と現教え子が仲良くなるなんて…なんっていい話なんだ!!

「ヤンクミ…悪いんだけどちょっと恥ずかしいからこっちに戻ってきて~…」

 空に拳を突き上げて感動を噛み締めていたら、さっきより少し遠くなった武田に呼び戻された…そんなに逃げなくたっていいじゃねえか…。

「すまんすまん!今日は見回り当番だからちょっと遅くなるけどいけるぞ!」
「んじゃ、オレたち先に行って待ってるね♪」
「あんまり騒いでクマに迷惑かけないようにな!」
「はぁーい!」

 用件が済むと、携帯を取り出してメールしながら学校へと走って行った。

 いつも勝手に混じって騒いでいるけど、近頃はたま~に生徒達からも誘ってくれることが増えてきたのは、大分気持ちを許してくれてきている証拠なのかな。
 3ヶ月という短い期間だけど、ホンット色々あって濃厚すぎたこの1ヶ月。まあその濃厚さで勝ち取った生徒との信頼関係は中々順調で後2ヶ月後の卒業の頃にはもっともっと仲良くなれるに違いない。

 早起きは三文の徳って言うし、今日は朝から生徒にお誘いを受けちゃったし、いい一日になりそうだなーとニヤニヤしながら黒銀の門をくぐった。

 帰宅後、とんでもない話が待っているとは思いもよらずに。

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思いつくままに書き始めたら、ちょっとまとめ能力足りなさ過ぎて長めになりそうな感じです。
というかバカ話ばっか書いてたんで、ちょっと真面目に普通のを書こうとすると目がシパシパしてきました…これは危険!(色々な意味で)

とりあえず設定的には、久美子さん黒銀勤務中・慎ちゃんアフリカ3年目、虫歯になる程大好物の無自覚からスタートといった所なので、よろしくお願いいたします!